午前の学科は、私にとって予想以上に厳しい問題が多かったです。最初の何問かは全くわかりませんでした。一問として自信がない状況の中、あっという間に30分たってしまい、慌てて点字についての設問がある後ろからやり始めました。福祉や視覚障害についての問題は「ハンドブック」に載っていない事柄が多かったように感じました。しかも、あがっているせいか、点字で読む文章は墨字のようになかなかはっきりと頭に入ってこないのです。
後で見直すと、見事に言葉のあやにひっかかったりしていました。内容も隣で受けている視覚障害者の方にはきっと常識なんだろうな?と思うようなものが多々ありました。自分の視野の狭さを突きつけられた気がして、愕然としながら終えました。
逆に午後は、午前がきつかっただけに易しく感じました。時間も足りましたし、文章の内容も平易だったように思いました。こちらは普段やっていることを、そのままやればよいことなので、経験豊富な点訳者の方なら、苦労はないと感じました。
さて、今回、奇跡的!に合格通知をいただくことができました。実は、学科があまりにもできなかったので、通知を見ても、「目の錯覚か?」と、家族にも確認してもらうほどでした。
これを書いている今も、「合格は手違いでした」と訂正がくるのでは?と心配な気持ちがあるくらいです。1月に証明書が届くそうですが、実際に届いたあかつきには、点字技能師の先輩方の足を引っ張らないように、自分なりに勉強を続けていきたいと思います。
今まで、点字を通して知り合った多くの方に、心から感謝しています。
平成17年1月 日点協通信第22号より(NPO法人 日本点字技能協会発行)
点字技能検定試験を受験して つくしんぼ K.M
今回、検定を受けることを決めたのは、〆切ぎりぎりの8月の終わりでした。
第一回から検定のことは知っていましたが、かなり難しく、合格率も低いので、
「私には無理」とあきらめていたのです。
しかし、ここ数年、「地元の点字サークル内に一人でもちゃんとした資格をもった
メンバーがいたら・・・」と思う場面が多くなってきました。
そこで、二の足を踏むより、チャレンジしてみようと、サークル内で一番古い私が
受験することになったのです。
受験にあたっての準備ですが、まずは「過去問」と「点字技能ハンドブック」を用意しました。ざっと過去問を確認すると、やはり予想通り、午前の学科が非常に難しいと思いました。私は普段は多量な点字の文章を速く読むということがないので、
過去問三年分で練習しました。
内容については「ハンドブック」を何度も読み、重要な部分をノートにまとめたりしました。
午後の実技の対策も、過去問でしました。長年の点訳の経験だけはあるので、
分かち書きについてはほとんど頭の中に入っていますから、したことといえば、
点字器で書く練習でした。いつもはパソコン点訳なので、点字器を使うことはほとんどありません。ただ、いつでも手書きができるように、パソコンの入力も6点でやっていましたので、すぐに慣れました。恥ずかしい話ですが、「アルファベット」は受験までちゃんと覚えていなくても点訳には差し支えなかったので、うろ覚えでした。
今回は持ち込みナシということでしたので、確実に覚えて試験に臨みました。
また、校正表も点字で作ったことがなかったので、例にならって練習しました。
今は地元のサークルが忙しくなってしまいお休みしていますが、niftyのBASING ROOMでパソコン通信のグループ点訳にも入っていました。そこでは墨字の校正表はいつも作っていましたので、形式的には苦労はありませんでした。
次に、当日の様子や個人的に感じたことを書きます。私が受けたのは東京会場でした。サークルのメンバーに様子を報告したかったので、点字器受験の部屋と、タイプライター受験の部屋の両方の人数をざっと確認したりしました。
確か、点字器受験が33名、タイプが20名の計53名くらいだったと思います。
そのうち、視覚障害者の方が半数近くいらっしゃいました。近くの席の方は、新潟や静岡からいらっしゃったということで、「皆さん、すごいなあ」と感動しました。
